規則正しい生活

また、彼らはイスラム教徒ですから、非常に規則正しい生活をしているのだろうと思われます。そして、時間に対する感覚がゆったりしているらしいのです。私たちは時間を目にするとき、 一分一秒までを正確に言うことはなくても、 一時間ですとか、 一日、あるいは一カ月、 一年という単位を大事にしています。これはこれで大事なことですが、どうしても「忙しくて時間や期日に追われている」というストレスを生んでしまいがちになります。

 

ところが、フンザの人々は物事を五年単位で考えているらしいのです。そういう意味でストレスを持っていない。これはかなり大事なことだと思います(残念ながら五年単位を日本で実践するのは難しそうですが)。最後にひとつ付け加えると、フンザはイスラムの宗教上の理由などから男性上位の社会で、女性はよく働くけれども、男性は比較的のんびりしているそうです。そのせいか、女性のほうが老けて見えるという報告もありました。ちなみに標高が高いこと、すなわち低気圧であるということは他の長寿地域のコーカサス、ビルカバンバとも共通しています。このあたりになると私の大学院時代の恩師である、新潟大学医学部の安保徹教授の自説とも通じるのですが、日本でも寿命が長い県は低気圧の沖縄県、また標高の高い長野県なのです。沖縄の長寿についてはたくさんの研究がありますが、食べ物がよいのだという話が多いようです。これだけだと抽象的すぎるので少し掘り下げましょう。まず塩分の摂取が非常に少ないようです。

 

 

厚生労働省は日本人が一日にとる塩分の量を一〇グラム以下にしたい、と目標に掲げているのですが、沖縄の人々は八グラム程度で収まってしまうようです。塩分が少なくても、食事がおいしく食べられる理由としては、 一年中豊富に野菜がとれますから、物にしたりする必要がないことが挙げられるようです。それから戦後まもなくの頃にサツマイモが主食だったこともよかったのでは、といわれています。もちろんサツマイモだけでは味気ないので、おかずをたくさん食べることも重要です。ミネラルが豊富な沖縄名産のニガウリ(ゴーヤ)やコンブを取り入れて、暑い場所ですから鮮度の高いうちに何十品目にも及ぶ食材を摂取している、つまリバランスがとてもよい食事が定着していたのでしょう。

 

 

余談ですが、私は今年鹿児島へ行って以来、イモ焼酎にすっかリハマっています(笑)。不思議なことに翌日お酒が残らないのです。それまではウイスキーの水割りが主体だったのですが、すっかリイモロックにハマってしまいました。すごく翌日の体調が違うのがわかります(機会があったらこの辺も科学的に調べてみたいですね)。

 

さて、そんな沖縄ですが、去年の正月に私は家族旅行で沖縄に行ってきました。ちょうど元旦でしたが、地元の新聞が長寿県沖縄の危機と称するキャンペーンを展開していました。沖縄の男性の長寿番付が、 一位の座を長野県に明け渡してしまったのです。その原因として新聞では、食事の本土化というか、フアーストフードなどがどんどん入り込んで、沖縄の伝統的な良き食文化が壊れつつあると警鐘していました。もうひとつは自殺率の急上昇、不況による島内での失業率の増加なども関与しているのではと書いてありました。


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