オーバーラップ

さて、内因性、外因性のお話をしましたが、生活習慣病とは両者がオーバーラップした(重なった)ものと考えてください。すなわちある病気の遺伝的素因を持った人が誤った食生活をし、運動しない、喫煙をするなど悪い生活習慣を持つために病気が発症してしまうものです。もうひとつ、左の日本人の死亡原因のグラフを見てください。がんが約三割、心疾患・脳血管疾患を合わせるとやはり三割、六〇歳以上の死因に絞るとその率は七割以上にもなります。また高齢者の死因で多数を占める肺炎なども脳梗塞などの後遺症で寝たきりになることによって引き起こされています。もっともっと元気で長生きできることになるはずです。生活習慣病は血管に障害を起こし動脈硬化を進める病気で、治療をしないで放置すると心臓病や脳卒中を引き起こしてしまいます。しかしこれらの病気は軽症の場合は自覚症状がほとんどないため、サイレント・キラー(沈黙の殺人者)といわれています。生活習慣病は、定期的に健康診断を受けていれば必ず発見されます。三五歳を過ぎたら絶対に定期検診を受けましょう。では二八歳は健診を受けなくてよいのか、というとそういう意味ではありません。病因論でも述べたように内因性の病気は生後すぐに、あるいは子供のうちに発見されます。生活習慣病は普通の生活をしていれば三〇歳を過ぎた頃からじわじわと現れてきます。おおよそ三〇歳が近づいた方は、血圧測定、尿検査といった簡単な検診を受けてください。この検査で引っかかるようではよほど重症ですので、すぐに治療が必要です。

 

ちなみにあんなに簡単な尿検査でもかなりの情報がわかるものです。尿に蛋白が出ている場合は腎臓に問題があるということを意味しています。尿に糖が出ているということは糖尿病にかかつている可能性があるということです。尿に血液が出ているということは、腎臓の機能が低下しているか、あるいは腎臓?尿管?膀脱?尿道のどこかに細菌がいるか、結石があるか、がんが隠れているかということなどを意味しています。尿にビリルビン(血液の中のヘモグロビンから作られる色素)が出ている場合、それは肝臓や胆のう、すい臓などに問題がある可能性を示しています。このように尿検査はさまざまな情報を提供してくれます。


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