聖なる川

インドのガンジス川は、ヒンドウー教徒にとって「聖なる川」です。しかし、ご存じの方も多いと思いますが、ガンジス川の水はお世辞にも「清潔な水」といえるものではありません。さまざまな雑菌が含まれているのはもちろん、下水道が完備されていない場所では糞尿が川に捨てられていたり、最近では工場廃水なども垂れ流しにされてしまつています。それでも「聖なる川」であるがゆえに、インドの人々は家族の遺骨を川に流し、自らも川に入り沐浴します。さらに、ガンジス川のほとりに住む人々は、その水を汲んでお茶や料理に使ったりもしているのです。たまにインド人の姿を真似てガンジス川に入る日本人がいますが、彼らはほぼ間違いなくおなかをこわします。

 

その原因は、あまりにも多すぎる雑菌です。ところが、なぜかインド人は、ガンジス川に入っても、その水を飲んでもおなかをこわしません。なぜインドの人々は雑菌だらけの水を飲んでもおなかをこわさないのでしょうか。一つには「慣れ」が考えられます。日本では昔から「旅先では生水は飲むな」といいますが、これは普段飲んでいる生水に含まれる雑菌に対しては免疫ができているので大文夫でも、知らない土地の知らない雑菌に対しては免疫がないためおなかをこわしやすいからです。つまり、インド人は、ガンジス川の雑菌に対して免疫ができているということが考えられます。しかし、いくら慣れた菌でも量的な限界はあります。なにしろガンジス川には下水まで流れ込んでいるのです。では、なぜインドの人々はおなかをこわさないのでしょう。

 

 

それは、彼らが毎日、「自然の抗生物質」を大量に摂取しているからだと考えられます。抗生物質というのは、わかりやすくいえば「抗菌薬」ということです。かぜをひいたときなどに、日本ではよく抗生物質の入った薬が処方されますが、それは、かぜをひいたことによってさまざまな雑菌が体内で増殖するのを防ぐため、つまり、症状を悪化させないためです(ちなみに、抗生物質にかぜのウイルスそのものを抑える力はありません。抗生物質の処方は、あくまでも、症状の悪化を防ぐことが目的です)。といっても、インドの人々が毎日「薬」を飲んでいるというわけではありません。抗生物質と同じような抗菌作用をもつ食品を毎日食べているということです。


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