自らの免疫力を高める

「抗菌作用をもつ食品」とは、インドの伝統食「カレー」です。カレーには薬効成分をもつ香辛料や野菜が数多く使われています。たとえば、カレーの黄色のもととなっているターメリック(ウコン)には、食中毒の原因菌であるブドウ球菌に対する抗菌作用がありますし、ガーリツク(ニンニク)には、健胃、発汗、利尿、整腸、殺菌、駆虫などの効果があります。ほかにもペツパー(コショウ)、コリアンダー、ナツメグ、カルダモンなど健胃作用をもつスパイスや、チリ、マスタード、ジンジヤー(ショウガ)など、血行をよくすることで免疫力を高めるのに役立つ成分も多く含まれています。つまり、インドの人々はカレーという「自然の抗生物質」を毎日食べることで自らの免疫力を高め、過酷な自然環境のなかでも健康を維持していたのです。第一章で沖縄の食事について触れましたが、沖縄の人々が豚肉をたくさん食べているのに長寿を保っていられるのも、余分な脂を落とす伝統的な調理法や、石灰質の大地から湧く水、そしてエンザイムの豊富な野菜や果実のおかげでした。このように伝統食には、先祖代々受け継がれてきた、その土地で人々が健康に生きるための知恵が盛り込まれているのです。インドのカレーや沖縄の長寿食のようにてている伝統食もあれば、逆に食にある一いる伝統食もあります。

 

その一つがユダヤ教の伝統的な食事、「コーシャ。フード」です。ユダヤ教では食事の素材や調理法に厳しい戒律が定められ、信徒は、戒律で認められた「コーシャ(コーシェルともとな食べ物、つまり「清浄な」食べ物しか食べてはいけないことになっています。

 

ユダヤ教徒が豚肉を食べないことは有名ですが、ほかにも貝類、エビやカニなどの甲殻類、タコやイカなどの軟体動物、病気で死んだり戒律に則らない方法で解体された生き物なども、コーシヤではないという理由で食べることが禁じられています。牛肉は食べることが許されていますが、解体や血抜きの方法から始まって、乳製品といつしょに調理してはいけないなど、調理法も細かく決められています。

 

こうしたコーシャ。フードは、ユダヤ教の教典「トーラー」(旧約聖書の最初の五つの書)の記述にもとづくものですが、それを見ると、神は本来は「人は植物食であるべき」だと教えていたことがわかります。


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